滋賀県のトンボ100種 [※1]  その1

カワトンボ科


ハグロトンボ♀   
 
1.ハグロトンボ(翅黒蜻蛉)
 体長約53〜68mm。7〜8月に多い。

1♀  大津市田上森町 2020/9/20 
1♂   2♀  草津市西矢倉 2021/6/12
1♂   2♀   草津市西矢倉 2021/6/30
 

アサヒナカワトンボ♂   
 
2.アサヒナカワトンボ(朝比奈河蜻蛉)
 体長約42〜57mm。5〜6月に多い。日本固有種。ニホンカワトンボと酷似しているが、アサヒナカワトンボは上流域に分布するとされる。

1♀  2♀ 高島市朽木柏 2020/6/3 撮影場所で判定していますが、・・・。
1♀  飛翔♀  未成熟で縁紋が白い♂  大津市膳所池ノ内町 2021/5/3
1♂  ♂は縁紋が赤褐色 大津市国分二丁目 2021/5/4
1♀ 翅脈が粗く縁紋がふと短い 大津市国分二丁目 2021/5/13  ここには淡橙色翅型♀のニホンカワトンボが生息しているので、神戸のトンボ/デジタルトンボ図鑑により、翅脈からアサヒナカワトンボ♀か調べてみました。
成熟し白粉を帯びた♂  大津市田上森町 2021/5/15
1♂  大津市上田上桐生町 2021/5/28
1♂  高島市今津町深清水 2021/6/23 

アサヒナカワトンボと羽化殻  大津市上田上桐生町 2022/4/28
テネラルな♀と羽化殻  滋賀県東近江市 2022/5/18
 

ニホンカワトンボ橙色翅型♂   
 
3.ニホンカワトンボ(日本河蜻蛉)
 体長約48〜64mm。5月に多い。日本固有種。アサヒナカワトンボより下流に分布する。

成熟した橙色翅型♂  2♂  3♂ 大津市石居 2021/5/10 腹部は白粉を帯びている。
淡橙色翅型♀  2♀   3♀  大津市国分二丁目 2021/5/10 アサヒナカワトンボとニホンカワトンボが混生している。
橙色翅型♂  2♂  大津市枝 2021/5/11
1♂  2♂   3♀   ♀産卵   ♀産卵と♂警護  大津市枝 2021/6/2, 6/3
1♂  2♀  高島市今津町深清水 2021/6/23

橙色翅型♂ 大津市上田上桐生町 2022/4/28 渓流の同じ場所に、アサヒナカワトンボと混生しています。5/6にはミヤマカワトンボも観察しました。3種が混生しています。
 

ミヤマカワトンボ♀   
 
4.ミヤマカワトンボ(深山河蜻蛉)
 体長約64〜78mm。5月〜8月に多い。日本固有種。

1♀  2♀  3♂ 大津市大石富川町 2021/5/10
1♂  2♀ YouTube ミヤマカワトンボ動画  大津市大石東町 2021/5/26
1♂  2♀ 大津市上田上桐生町 2021/5/28
1♂  2♀ 大津市葛川坂下町 2021/6/24
1♂ 大津市葛川坂下町 2021/7/27 腹先端裏の白い部分を見せて、♀を誘う。
ニホンカワトンボ(白矢印)、アサヒナカワトンボ(黒)、ミヤマカワトンボ(青)が混生 大津市上田上桐生町 2022/5/17
 

アオハダトンボ♂   
 
5.アオハダトンボ(青肌蜻蛉)
 体長約55〜62mm。6月に多い。環境省レッドリスト準絶滅危惧。♂は翅に金属光沢があり、腹端の裏側が白い。♀は前翅の色が薄く、白い偽縁紋がある。

1♂   2♂   3♀   4♀   ♂の縄張り争い
産卵と♂の警護   産卵2   産卵3  滋賀県甲賀市甲賀町大原市場 2021/6/1 ♀で胸部が褐色に写っている個体があります。
1♂  2 ♂   3♀   4産卵  大津市中野 2023/6/14 
 


 

アオイトトンボ科


アオイトトンボ   
 
6.アオイトトンボ(青糸蜻蛉)
 体長約38〜45mm。9〜10月に多い。

1♂ 2♂ 大津市一里山 2020/8/27 
1♀ 2♂ 大津市一里山 2020/8/27 
1交尾 2交尾 3交尾 大津市一里山 2020/8/27 ♂は成熟すると白紛を生じる。
未熟♀ 大津市 2021/6/10
1♂ 草津市西矢倉 2021/6/12

 

コバネアオイトトンボ♂   
 
7.コバネアオイトトンボ(小翅青糸蜻蛉)
 体長約37〜43mm。8月下旬〜10月中旬に多い。滋賀県では、2010年代からの記録なし。環境省絶滅危惧TB類。

1頭目♀ 2頭目♀ 翅が幅の広い割りに短い 3頭目♀  京都市北区 2022/10/2 昨年からチャレンジしていたコバネアオイトトンボ、ようやく見つけることが出来ました。3頭見つけましたが、それぞれ見つけるまでに1時間ほどかかりました。
  2♂   3♂ 矢印の所に居ます  京都市北区 2022/10/14 2時間かけてようやく見つけた♂。この日は、♀は見つけられず。
コバネアオイトトンボとオオアオイトトンボの比較   翅胸の比較(矢印)  

 

オオアオイトトンボ♂   
 
8.オオアオイトトンボ(大青糸蜻蛉)
 体長約41〜51mm。10月に多い。同じ場所では、アオイトトンボより発生時期はかなり遅い。

1♂  2♀  大津市千町三丁目 2020/9/18
1交尾  2交尾  大津市千町三丁目 2020/9/26 
1♂ 大津市一里山 2020/11/4
1♂ 大津市千町三丁目 2020/11/10 
 

ホソミオツネントンボ♂   
 
9.ホソミオツネントンボ(細身越年蜻蛉)
 体長約35〜42mm。トンボは普通ヤゴで冬越しするが、ホソミオツネントンボは成虫で越冬する。

1♂  2交尾   3交尾   4交尾を邪魔する♂  大津市瀬田南大萱町 2021/3/24 ♂が4匹も。池にはメダカやオタマジャクシがたくさんいました。
3匹が連結?  大津市瀬田南大萱町 2021/4/21 気温が 25℃と夏日になり、たくさんのホソミオツネントンボが交尾していました。間違って、♂・♂・♀が連結していました。
1♂ 大津市国分二丁目 2021/5/4
交尾  大津市千町三丁目 2021/5/30 
越年するホソミオツネントンボ成虫♀   拡大写真・翅を閉じると前翅と後翅の縁紋が重なる  草津市追分7丁目 2021/11/18 水辺からは離れた南斜面で、見つけて頂きました。
見つけてもらう 大津市瀬田南大萱町 2021/12/2 探しましたが見つけられず、結局案内してもらいました。
2頭います!  a 中央にいます   b ぶらさっがています  大津市瀬田南大萱町 2021/12/3
褐色の未成熟♀ 大津市瀬田南大萱町 2022/7/13
越冬中のホソミオツネントンボ♀ 居た場所 大津市瀬田南大萱町 2023/2/9 3日間同じ枝にいました。
交尾  大津市瀬田南大萱町 2023/4/4
 

オツネントンボ♂   
 
10.オツネントンボ(越年蜻蛉)
 体長約37〜41mm。成虫で越冬する。

1♂   2♀   3♀   4♀  大津市 2021/6/15
イトトンボの羽化殻  オツネントンボの羽化殻かは不明です。

♂翅を閉じると前翅と後翅の縁紋は重ならない  大津市上田上桐生町 2022/4/8 ここ数日一気に気温が上がり、越年していたトンボが動きだしました。
1♂   交尾   産卵  大津市上田上桐生町 2022/4/11 
 


 

イトトンボ科


 
キイトトンボ♂   
 
11.キイトトンボ(黄糸蜻蛉)
 体長約35〜46mm。6〜8月に多い。

1♂ 2連結 大津市一里山 2020/7/19 
1♂ 大津市瀬田南大萱町 2020/8/22 
1♂ 滋賀県野洲市北櫻 2020/9/24 
1♂ 大津市瀬田南大萱町 2021/6/8 今季初認です。成熟すると、胸部が緑色になる。
産卵   未熟♀  大津市瀬田南大萱町 2021/6/23
未熟♀  大津市千町三丁目 2021/6/26
羽化したての♀と羽化殻   連結   滋賀県 2021/7/10
交尾  大津市瀬田南大萱町 2021/7/14 
1♀  京都市北区上賀茂 深泥池 2021/7/16
ヒツジグサの花とキイトトンボの連結産卵   2023/6/27 大津市瀬田南大萱町

 

アオモンイトトンボ♂  
 
12.アオモンイトトンボ(青紋糸蜻蛉)
 体長約30〜35mm。5月と8〜9月に多い。

1♂ 大津市一里山 2020/7/19 アジアイトトンボによく似ているが、アオモンイトトンボが大きい。腹部第8節に青い紋がある。
橙色の未成熟♀ 未成熟♂ 大津市一里山 2021/5/24
1♂ 未成熟♀ ♀異色型か  草津市西矢倉 2021/6/7 未熟♀は、アジアイトトンボ未熟♀とよく似ている。写真の注釈を参照してください。
同色型♀の交尾  大津市 2021/6/10

 

アジアイトトンボ♂  
 
13.アジアイトトンボ(アジア糸蜻蛉)
 体長約25〜31mm。5月と8月下旬〜9月上旬に多い。

1♂ 滋賀県野洲市北櫻 2020/9/29 アオモンイトトンボによく似ているが、より小さい。腹部第9節に青い紋がある。
1♂  交尾 大津市瀬田南大萱町 2021/4/14 ホソミオツネントンボがたくさんいて、ひっそりと隠れるようにしていました。
1♂  大津市瀬田南大萱町 2021/4/20 とても小さい!
羽化したての♀ 未熟♀ 成熟♂ 大津市一里山 2021/5/4
1♂ 未熟♀ 未熟♀と交尾 大津市 2021/6/15 未熟♀は、アオモンイトトンボ♀未熟とよく似ている。
1♀   2♀   交尾  大津市 2021/6/18  
交尾  野洲市北櫻 2021/10/2

 

モートンイトトンボ♂  
 
14.モートンイトトンボ(モートン糸蜻蛉)
 体長 23〜32mmで小型。5月下旬〜7月上旬に多い。環境省 準絶滅危惧。

1♂   2♂   3♂  大津市 2021/6/15 アジアイトトンボと同じかもっと小さい。
1♀   2♀   3♀   4♀半成熟   5♀未成熟   産卵   大津市 2021/6/18 ♀はアジアイトトンボとよく似ているが、眼後紋は縦に長く、背隆線に黒条がない。 
♂眼後紋は三日月状   ♀未成熟   ♀半成熟・♀の眼後紋は縦斑  大津市瀬田南大萱町 2022/6/27 
モートンイトトンボの交尾は早朝   大津市瀬田南大萱町 2022/6/30  
1♂   2♀未成熟  大津市一里山 2023/6/20  この場所では初めて見ました。
モートンイトトンボは単独で産卵 大津市一里山 2023/7/4 

 

クロイトトンボ♂   
 
15.クロイトトンボ(黒糸蜻蛉)
 体長約27〜37mm。5月〜9月に多い。

1♂ 大津市一里山 2020/7/31
1♂ 大津市瀬田南大萱町 2020/9/1 小さな蛾を採餌していました。 
1♂ 大津市瀬田南大萱町 2020/9/9 ♂は成熟すると粉を吹く。
1♂ 大津市一里山 2020/9/30 左はムスジイトトンボ。
1♂ 大津市瀬田南大萱町 2021/5/9 成熟したきれいな♂で、ハスの葉の上で縄張りを張っていました。
連結産卵  大津市一里山 2021/5/18 ♀は緑色型。
連結産卵 大津市千町三丁目 2021/5/30 いつもの散歩道のため池です。♀は青色型。
未熟♂ 大津市 2021/6/10
1♀  野洲市北櫻 2021/7/6
羽化したてのクロイトトンボ♂と羽化殻  滋賀県 2021/7/6 
クロイトトンボの交尾  大津市瀬田南大萱町 2021/9/13 

 

ホソミイトトンボ♂  
 
16.ホソミイトトンボ(細身糸蜻蛉)
 成虫で越冬する。体長 越冬型33〜37mmで、♂は鮮やかな青色。夏型28〜34mmで緑色味が強い。越冬型は4月〜5月に多い。夏型は7月に多い。

1♂     大津市瀬田南大萱町 2021/4/20 鮮やかな青色で、越冬型。
1♂  大津市国分二丁目 2021/5/25
1♀   2♀  大津市南郷二丁目 2021/7/11 トマトの苗木にとまりました。
1♂  京都市北区上賀茂 深泥池(みどろがいけ) 2021/7/16
越冬型産卵   越冬型産卵その2  大津市上田上桐生町 2022/4/28
越冬型♀  草津市追分7丁目 2022/9/17
このまま成虫で冬を越えます♂ 大津市一里山 2023/9/15 林の中にいました。

 

ムスジイトトンボ♂  
 
17.ムスジイトトンボ(六条糸蜻蛉)
 体長約30〜38mm。7月〜9月に多い。頭部眼光紋は細い。

1♂  2交尾 3産卵 4産卵 大津市一里山 2020/9/23 ♀は成熟すると腹部が瑠璃色に。
1♂  2♂ 大津市一里山 2020/9/30 
1♂  大津市 2021/6/15
1♂   2♂   3♀  草津市志那町 2021/7/1 セスジイトトンボと同じ場所にいました。

 

セスジイトトンボ♂  
18.セスジイトトンボ(背条糸蜻蛉)
 体長 27〜37mm。5月〜9月に多い。頭部眼光紋が大きい。

1♀   大津市 2021/6/10 ムスジイトトンボ♀にも肩黒条内の淡細条があるが、頭部眼光紋が大きいのでセスジイトトンボ♀と判断した。
1♀   2♀  草津市西矢倉 2021/6/12
1♂   2♂   3♀   4♀  草津市志那町 2021/7/1 
1♂  高島市 2022/6/26

 

オオイトトンボ♂  
 
19.オオイトトンボ(大糸蜻蛉)
 体長 27〜39mm。5月〜8月に多い。頭部眼後紋が大きく、セスジイトトンボに似るが、肩の黒条には淡色線がない。

1♂   2♂   3♂   交尾するアメンボと一緒に  滋賀県高島市今津町深清水 2021/6/24 名前はオオイトトンボですが、セスジイトトンボと同じ位の大きさでした。
セスジイトトンボ♂、ムスジイトトンボ♂との比較  頭部眼後紋は、オオイトトンボが大きい。

 

ベニイトトンボ♂  
 
20.ベニイトトンボ(紅糸蜻蛉)
 体長 36〜43mm。6月下旬〜9月下旬に多い。平地の古くからある池などに生息する。環境省 準絶滅危惧。

1♂   2♂  滋賀県大津市 2021/7/9 他 キイトトンボと同じ位の大きさで、中型のイトトンボ。
連結1   連結2   交尾3   交尾4  
産卵1   産卵2   産卵3   産卵4   産卵5
羽化したてのベニイトトンボ♂と羽化殻  
羽化したてのベニイトトンボ♀と羽化殻  腹部上面が赤いので、ベニイトトンボ♀と思います。
1♂   2♂   産卵  京都市北区上賀茂 深泥池(みどろがいけ) 2021/7/16
♂が1頭だけ  大津市瀬田南大萱町 2022/7/8 ここでは初記録です。
ベニイトトンボかどうか再確認   大津市瀬田南大萱町 2022/7/10 リュウキュウベニイトトンボの移入が各地で見られています。ベニイトトンボでした。
 大津市田上 2023/6/14 
ベニイトトンボの交尾   交尾2  大津市瀬田南大萱町 2023/8/18 昨年は1頭だけでしたが、今年は4〜5頭に増えました。

 

モノサシトンボ科


モノサシトンボ♂  
21.モノサシトンボ(物差蜻蛉)
 体長約38〜51mm。6〜7月に多い。

1♂  大津市一里山 2020/7/31 
1♂  大津市瀬田南大萱町 2020/9/19 
未熟♂ 未熟♂  大津市瀬田南大萱町 2021/6/18 数日前から一斉に羽化しだしたようです。
未熟♀   連結   産卵   
1♂  高島市乙女ヶ池 2021/6/20
未熟♀  大津市瀬田南大萱町 2021/7/14
 

グンバイトンボ♂  

 
22.グンバイトンボ(軍配蜻蛉)
 体長約34〜40mm。5月下旬〜7月上旬に多い。日本固有種。環境省 準絶滅危惧。

1♂   2♂  兵庫県 2021/6/22 
連結   交尾   交尾2   連結  
連結産卵    2ペア   3ペア  
未成熟♂    滋賀県高島市 2022/6/3 水辺の草むらにいました。
成熟♂   連結   交尾  滋賀県高島市 2022/6/26 
 


 脚注
 ※1.「滋賀県のトンボ(2010年代)琵琶湖博物館研究調査報告30号2018年3月」による。ただし種の配列は順不同。
 トンボの体長や出現期については、「近畿のトンボ図鑑 ミナミヤンマ・クラブ」 を参考とした。

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